結局、船のエンジンがかかり動き出したのは、午前2時前後だと思う。
1:45に起きた時はまだ動いていなかった。
次に目覚めると2:30でフェリーは動いていた。
なんと、4時間遅れ…
動かないフェリーに6時間以上乗っていた事になる。
やはり何のアナウンスもなかった。これって普通なの?!
こんな事ならバスチケット取らなきゃ良かった、とか別のフェリー会社にすれば良かった、とか考えてしまう…。
でも、フェリーが4時間も遅れるなんて、そんなこと想定できる訳ないし…。
あーどうしよう…すごく不安だけど、今は何も出来ない。
早く到着してくれる事を祈ってまた眠りにつく。
そして朝8:00頃。
陸が見えてきた!
もしかして間に合う?!
しかし、見えてからが意外と長い…!早く早く…!
急げば間に合うかも!!
船を降りて駆け足でイミグレへ!
既に結構並んでいる…しかもカウンターが2つしかなく、進み方がすごく遅い!
イミグレ通過11:30。
これはやっぱりもう無理か…と諦めかける私。『とりあえず行ってみよう!』とてるくん。
次はここからバスでバリ・チェントラーレ駅まで行かなければならない。
バスで何分かかるかもわからないが…。
バス停に行ってみると、11:22に出たばかりらしい。次は12:02だ。バスはもう無理だ。
地図で見るとそんなに遠くないみたいだし、走るか?!
でも道もよくわからないし迷いそう…。
残り時間はあと15分。
やはり、ここはタクシーだ!
本当はあまり乗りたくないけど、そんな事言ってる場合じゃない。もしそれで間に合うなら…!
しかしタクシーがいない。
普通、どこでも到着時間にはタクシーが長蛇の列をなしているはずだ。
でも、到着時間が大幅にずれたせいなのかタクシーが全くいない。
しかもタクシーを使うつもりがなかったので、タクシーがどんなデザインなのかすらわからない。
黄色い車を探すが、それっぽい車は見当たらない。
絶望しているとtaxiとかかれた白い車が一台だけいた。ドライバーに声をかけ、事情を伝える。
さすがにドライバーも『あと15分?!他のバスじゃダメなのか?』と。
『予約しているので急いでくれ!』と無理を言ってみる。
途中、渋滞もしていたが飛ばしまくるタクシー。
なんと、11:43に駅に到着!
あと7分ある!
『君達のバスの乗り場は地下を通って駅の反対側だよ!』とドライバー。
親切にありがとう!お釣りは要りません!と少し多めに渡し、地下道をダッシュする。
駅の反対側に出ると
バスがいる!FlixBusがいる!
やった!間に合った!
『遅くなってすみません!フェリーがすごく遅れて…』と息を切らし、汗だくの私たち。
『そうかそうか。日本人だね、まだ5分前だから問題ないよ~』とにこやかなスタッフ。少し日本語が喋れる陽気な男性だった。
11:45、無事にバスに乗車することが出来た。
ああー良かった!
ここまでのあまりの自分たちの必死さに思わず笑ってしまう。
こんなはずではなかったが、このバスにさえ乗れればあとは予定通りだ。
バスからの景色はのどかで、少しずつ落ち着きを取り戻す。ぶどう畑や風車のある丘が多かった。
街の雰囲気はイメージしていたイタリアとは大分違った。
東南アジアっぽいマーケットが多い。落書きが多い。
あと、ナポリはスリがとても多いらしいので、いつも以上に警戒して歩く。
そして、無事に宿にチェックイン。
路頭に迷うことにならなくて本当に良かった。
イタリアでワインを飲むのを楽しみにしていたが、今日はすごく疲れたので、明日以降にしよう。