ピジョン バレーをトレッキングする。
ギョレメの街からはオトガルから川沿いに歩いて行けば、すぐにコースに入ることができる。
道中、コースに迷わないか心配だったが、目印となる矢印があるようだ。
進むにつれ渓谷の雰囲気が増していく。
我々以外、誰もいないコースを進んでいく。
人気のないコースなのだろうか。
人が多すぎても嫌だが、こうも人がいないと不安になる。
しかし、岩はもろく崩れやすそうだ。
早々に抜けてしまいたいところだが、ぬかるんでいて歩きづらい。
石板が倒れている場合もある。
あまりメンテナンスはされていないようだ。
石板は見えない。
倒れているようだ。
荷台が乗り捨てられる程の泥道だが、KEENを汚しながらも確認しに行く。
矢印部分は無くなっており、方向は分からなかった。
さて、困った。
ガイドのいない我々の最善の策は、引き返すことか…と、頭をよぎる。
いや、進む。
ここまでの統計上、進む道の右側に石板が設置されていることの方が多い。
左の道を進んでみて、ダメだったら引き返してくることにした。
進んでみると、前方は草が生い茂っており、最近人が通った形跡はない。
引き返し、先ほどの分岐路を右に行くことにした。
少し上っていく。
振り返ってみると、渓谷がきれいに見える。
そして、先ほどの分岐点からの道を見下ろしてみると、どちらに進んでも同じ場所に出るようだった。
値段設定はかなり良心的だ。
街中と変わらない。
昔、富士山に登った時、自販機の飲料は400円、インスタントラーメンは1000円だったはずだ。
ここは、TÜRKISH TEAが2TL。街中と全く同じ値段だ。
この家から見る景色はかなり綺麗だ。
いつの時代まで、どんな人が住んでいたんだろうか。
少し歩くとUchisar Castleが近くに見えてきた。
ついにUchisarの街に到達した。
ここからは車道を歩いてギョレメの街まで帰る。
「今日、この中のどこかのルートを歩いてきたんだな~」と思いながら、上から見下ろす。
トレッキングコースは確認できないが。
道を歩いているとバーベキューをしているような匂いがした。
崖の下から声が聞こえる。
覗いてみるとバーベキューをしている人達がいた。
我々に気付いた彼らが呼んでいる。
「一緒にバーベキューしようぜ!」って。
せっかくなので、ご馳走になった。
最近、「日本食食べたい!」「バーベキューしたい!」って言っていたんだが、そのうちの一つが思いもしない形で実現した。
名前は聞いていないが、彼はスシローということにした。
皆、幼馴染で一緒にこの街で育ってきたそうだ。
スシロー以外はあまり英語が使えないようだ。
だが、そんなことは関係ない。酒があれば。
しかし、めちゃくちゃ強い酒を飲ませてくる。
『rakı』というお酒。
何か説明してくる。
「リーオン、リーオン」
リーオンって何や?
ついにはスマホで画像を見せてきた。
ライオンが表示されていた。
つまり、彼らが言いたいことを要約すると「この酒はライオンのミルクだぜ!」ってことのようだ。
なるほど、そりゃ強いわけだ。
スシローの家は、スシローの祖父が穴を掘って作った家だそうだ。
中を見せてもらった。
天井は低めだが、思いのほか居心地の良さそうな空間だ。
その後、サンセットを見に行こうということになり一緒に行く。
ギョレメの街中にあるサンセットポイントではない。
別の場所へ向かうようだ。
車3台で向かう。途中、ベンツ、ワーゲンは空地に停めTOYOTA HILUXに全員乗り込む。荷台に乗る形だ。
悪路を進む。確かに車高のある車でないと進めそうにない。
絶対、我々だけでは行けないような場所へ向かっているのが分かる。
「地球の歩き方」にも掲載されていない場所だろう。
この辺りはスシローの先祖が住んでいた場所だそうだ。
岩に小さな穴がたくさんある。
スシローが説明してくれる。
「150年程前に高祖父が鳩を飼う為に作った。今は化学肥料があるが、その昔は鳩の糞が肥料として必要だった。」
ギョレメの夜はまだ寒い。
たき火で暖をとりながら、ワインを頂いた。
まさか、こんなところでトルコ人と酒を飲むとは。
ワインがうまい。